獅子舞知っとくメモ

 

獅子舞の種類
小矢部の獅子舞は、獅子によって悪魔退治をしようというような所作のものと、獅子を退治するというものの2種類に分けられる。

 

獅子舞の形態
獅子はいわゆる「百足獅子」で胴幕(かや)の中へ頭・尾を含めて5~6人が入る。2種類の形があり、大きな胴幕に竹の輪を入れてさらに大きく見せ、棒やなぎなたを持ったかわいい踊り子を相手に、やや緩いリズムとともにゆさゆさと重厚に舞う砺波獅子の流れをくむもの。胴には竹ノ輪を入れず、手を挙げて張る。笛のテンポは早く、天狗が棒やなぎなた術を持って獅子と闘う、激しく勇壮に踊る氷見獅子の影響を受けたものに分けられる。その2人立ち獅子を含めた親子獅子などがある。

 

 

踊り子
踊り子は6才~15才頃までの子供が一般的で、顔には白く化粧をほどこし、色も鮮やかに豪華に織りこんだ衣装を着て、かわいらしく、また、華麗に踊る姿が見る人の心を和ませる。天狗役や夜遅くには青年に変わる場合もある。

 

囃子(大神楽)
獅子舞の笛・太鼓の音、それは血湧き肉躍る生命の歓喜と呼ぶ。かと思うと、遠くから聞こえてくる時いい知れぬ郷愁となって、静かに心の奥深くにしみいる不思議な魅力がある。演目によっては、鉦や「エンヤサー・エンヤサー」の掛け声も入る。

 

 

採り物
演目に併せて踊り子が手にとって舞う道具は、剣、棒、手拭、采配、扇子、鎌、なぎなた、太刀、傘、花笠、そしてたいまつなど、多種多様であり、その呼び名も獅子方によって様々である。

 

 

演目
砺波獅子の影響を受けた『ナギナタ』『カマ』『ボウ』『ケン』『タチ』『サンビス』『テヌグイ』『サンバサ』『カサオドリ』『サンパイ』『オオギ』など、獅子にたわむれるように舞う優雅な演目。氷見獅子の流れを組む『京ブリ』『吉崎』『祇園』『七五三』『一足』『二足』『スッテン』『バイガエシ』など、リズムに合わせて獅子を討つ所作のものと、『獅子殺し』のように激しくリアルな所作のもがある。いずれにしても、その演技・演目は各獅子舞の伝承や時代とともに変化を遂げ、小矢部の獅子舞だけでも何十種類にも及ぶ。

 

祝儀(花)・口上
獅子舞の祝儀を花といい、祝儀を出すことを花を打つという。花には家花・客花・嫁花・婿花などがある。多額の花には御礼口上が、独特の節回しで読み上げられる。たとえば「東西東西、目録一つ、御酒千樽、御肴満折、金貨百万両、芸者一列車、人気栄富栄富、右は○○様より御贔屓とあって○○町内獅子方若連中に下さる。名代として花の御礼。」と言う風に。

 

胴幕(かや)
胴幕の染め模様は、青地に赤と白の渦巻き模様、そして茶や赤の牡丹を大胆にデザインされたものなどが多い。

 

獅子頭
獅子頭の素材は桐を使い、黒漆塗りのものが約80%、赤漆塗りのものが約20%の割合で部分的に金や銀の箔をほどこしてある。大きさは高さ・長さ・幅ともに、35~40cm。重さ4~6kgの型が大半をしめる。中には大きさで約60cm、重さ15kgのものもある。

 

道化役
獅子舞によっては、ひょっとこ、おかめ、天狗などの道化役が獅子とのユーモア溢れるやりとりで観衆のどよめき、笑いを誘って祭りを盛り上げてくれる。

 

お祓い
獅子舞の全ては神社あるいは観音寺の伝統的祭礼であり、信仰を基盤として発展、維持して今日に及んでおり、お祓いを受けたあと獅子頭に御幣をつけてもらい、各戸をまわる。露天商祭りの楽しみの一つに、神社の境内や道の両側に色とりどり華やかに並ぶ露天商をのぞいて歩くことがある。子供にとって綿菓子をはじめて食べるのも、お面をはじめてかぶって見せるのも、みんなこのお祭りのときである。それが大人になっても心地良い思い出として残るのである。

 

観音寺
石動市街地の獅子舞が奉納されている観音寺は、天正17年(1589)今石動城主前田利秀がその父秀継より伝来の「天満自在神」画像を当寺に預け、宝物として祀られている。5月第4土・日曜日には、この「天満自在神」を公開して、天神祭りが行われる。この時、子供獅子舞が奉納され、これを獅子舞盆という。各町内から32組の子供獅子舞が、夜遅くまでくりひろげられる。この起こりは、400年前、前田利秀が今石動城主として金沢から石動に入城した時、土地の人が獅子舞を踊って歓迎したことにあるといわれている。

 

屋台
太鼓や採り物を載せる屋台は、豪華な神社風作り、行灯に提灯を下げたもの、松飾りをつけたものなど、それぞれの特徴を持ち、かわいい子供達に引かせている。

 

 

獅子舞創立50周年記念 昭和24年 福上地区